ボードゲームと言えば、昔から子供も大人も年齢関係なく一緒に盛り上がれる素晴らしい文化ですが、どうやらコロナ禍ごろからボードゲームのようなアナログなゲームが再注目されているらしい…。
それなら友達に贈るプレゼントは何かを考えた時にボードゲームが良いのでは?と思ったぽんぽこ。
調べてみると非常に面白い事がわかりました!
突然ですが、あなたはボードゲームで遊んだことがありますか? もしあるなら、その『メカニクス』はなんでしたか?
メカニクス。一体なんのことだと思うかもしれません。
ちなみにぽんぽこはといえば、昔からボードゲームが大好きでして、ドイツ年間ゲーム大賞(ドイツはボードゲーム大国)をチェックするのは勿論のこと、ボードゲームカフェに行ったり、スマートフォンもボードゲームアプリで埋め尽くしたりして日々を過ごしていた事があったぐらいなのです。
ひとりでも遊べるボードゲーム。ふたりで遊べるボードゲーム。子供も大人も大人数で遊べる人気のボードゲーム。
そのメカニクスの豊富さと言ったら。あぁ。
ボードゲームとはなんと奥が深い。
「だから、メカニクスってなんやねん!」
そんなツッコミを入れているあなたに、メカニクスとは何たるかを含めて、子供も大人も盛り上がるおすすめのボードゲームを紹介していこうと思います。
とにかく、ボードゲームが今、ヤバい!
これさえ読めば、あなたの生活を変えるボードゲームに出会えるかもしれません…。
- 1 ボードゲームのおすすめ!子供や大人へ人気プレゼントはコレ
- 2 ゲームメカニクス大全 ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け
- 3 メカニクス別おすすめのボードゲーム
- 3.1 ボードゲームのメカニクスその① 【競争ゲーム】
- 3.2 ボードゲームのメカニクスその② 【協力ゲーム】
- 3.3 ボードゲームのメカニクスその③ 【陣取りゲーム】
- 3.4 ボードゲームのメカニクスその④ 【タイル配置ゲーム】
- 3.5 ボードゲームのメカニクスその⑤ 【拡大再生産】
- 3.6 ボードゲームのメカニクスその⑥ 【デッキビルディング】
- 3.7 ボードゲームのメカニクスその⑦ 【バッティング】
- 3.8 ボードゲームのメカニクスその⑧ 【ブラフゲーム】
- 3.9 ボードゲームのメカニクスその⑨ 【正体隠匿ゲーム】
- 3.10 ボードゲームのメカニクスその⑩ 【チキンレース】
- 3.11 ボードゲームのメカニクスその⑪ 【アクション】
- 3.12 ボードゲームのメカニクスその⑫ 【アブストラクト】
- 4 ボードゲームのおすすめ!まとめ
- 5 ボードゲームのおまけ:放課後さいころ倶楽部
ボードゲームのおすすめ!子供や大人へ人気プレゼントはコレ
あなたが「ボードゲーム」と聞いて最初に思い浮かぶものはなんですか?
人生ゲーム?チェス?はたまた花札?
「花札はボードゲームじゃなくて、カードゲームじゃない!?」
という声が聞こえて来そうですが、なんと最近ではカードを使ったボードゲームも出てきているのです。
まぁ、そこらへんはおいおい話すとして、「ボードゲーム」と一言でいっても、様々な種類があるということだけ知っておいて欲しいのです。
ちなみに、ボードゲームの「種類」のことを、業界用語では「メカニクス」と呼んでいます。
冒頭でもったいぶっていたやつですね。種類と呼ばずに、メカニクスと言う。なんか中二病っぽくて、かっこいいっしょ?
(正確に言えば種類というか、ゲームの根幹みたいなものをメカニクスと言うんですが、細かいことは忘れてメカニクスは種類だと覚えよう!)
そしてなんと、メカニクスに関する本まで出ているんですよ!
ゲームメカニクス大全 ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け
これさえ読んでおけば、あなたは「趣味はボードゲームです」と言っても大丈夫!
意中の相手にメカニクスがなんちゃらかんちゃらと御託を並べていけば、尊敬の眼差しを手に入れることが出来るでしょう。
…いや、ウザがられても自己責任!ぽんぽこは一切責任を取りません!
まぁ、『ゲームメカニクス大全』は800ページを超える本ですし、4000円ぐらいするものなので、「これ買うぐらいならボードゲーム買えるやないか!」って話になりますし。
と、いうことで、おまたせしました。ここからが本題です。
なぜ、あなたにメカニクスの話を最初にしたのか?
メカニクス別おすすめのボードゲーム
実は、メカニクスとは、そもそも便宜上の呼び方のようなもので、1つのボードゲームが複数のメカニクスを持つこともあったり、人によって判断が異なったりします。
なのでまぁ、各メカニクスはだいたいのイメージを掴むだけで大丈夫なんですが、気に入ったボードゲームが見つかったら、同じメカニクスから好みのボードゲームを見つけるようにすると、あなたにぴったりの運命のボードゲームに出会えたりするんですよ。
だから、メカニクスから入ったわけです。
ということで、ここからメカニクス別にボードゲームを紹介して行くことにしましょう。あなたが興味を持つメカニクスはどれでしょうか…。
ボードゲームのメカニクスその① 【競争ゲーム】
まず最初に紹介するのは、【競争ゲーム】です。
まぁ、俗に言う「すごろく系」です。サイコロを振って、その出目の分進んでいくというシンプルなルールで、直感的に遊ぶことができます。
昔ながらすごろくでは、どちらが先にゴール出来るかというのが勝負の決め手でしたが、最近では、その途中途中で得た財産などが最終的な勝負の決め手になるものが多いです。
※ちなみにモノポリーはアメリカの資本主義の象徴だとして、かつてのロシアや中国、さらに今でも北朝鮮やキューバでは禁止されているほどなんですよ。他者を破産させることが目的のゲームって、斬新ですけどね。
競争ゲームのおすすめ:人生ゲーム
そんな【競争ゲーム】のおすすめは、『人生ゲーム』です。
え?知ってるって?知らないゲーム紹介してくれよって?
いやー、でもね、やっぱり『人生ゲーム』は面白いんですよ。とりあえず一個持っていくと便利。ここからボードゲームにハマる人も結構多いんですよね。
が、しかし。
たしかに、『人生ゲーム』が面白いとは言っても、言ってみれば『人生ゲーム』は“人生”をある程度知った人が楽しめるゲームです。子供も参加出来るけど、いまいち言っていることがわからずに、のめり込めないってことがある。
そんな時に紹介したい【競争ゲーム】がこちら。
競争ゲームのおすすめ:ねことねずみの大レース
なんて可愛いパッケージ!
『ねことねずみの大レース』というボードゲームです。これね、2003年のドイツ年間キッズゲーム大賞を受賞しているんですよ。ゲームデザイナーはマンフレッド・ルートヴィッヒ。
プレイヤーは1人5匹のネズミの駒を持っていて、サイコロを振って進めていくんですが、最大の特徴はサイコロの1と6の場所にネコが描かれているんですね。
6分の2、つまり3回に1回はネコが出る。
サイコロを振って、ネコの目が出ると、フィールドにいる猫が1マス分、ネズミを追いかけてきます。ネズミはネコに追いつかれる前に、チーズの部屋に逃げ込むんですが、ここでまた一工夫あります。
チーズの部屋には複数の種類があって、たくさん進んでたどり着ける部屋の方が高得点のチーズなんですね。
なので、なるべく遠くのチーズ部屋を目指したいところですが、ある一定のラインを超えると猫の進むスピードもあがって追いかけてくる。安全を取るか、得点を取るか。
さらには5匹を並行に進めていくか、1匹を先行して進めていくか。その駆け引きが非常に面白い。
5匹のネズミがチーズ部屋に入るか、ネコに捕まるかしたら、ゲーム終了です。その時にどれだけのチーズを獲得出来たか?で勝負が決まります。
キッズ大賞を受賞していますが、大人も盛り上がれる、駆け引きが重要なボードゲームです。
2~4人の遊ぶ人数に応じて初期のネコの場所が変わっていくという細かい微調整もしてくれているので、ゲームバランスまでしっかりしているという優秀なボードゲームを是非。
競争ゲームのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその② 【協力ゲーム】
競争ゲームのあとに紹介するメカニクスは、【協力ゲーム】です。その名の通り、みんなで協力してひとつのことを達成するゲームで、一体感を楽しむことが出来るゲームです。
競争ゲームでは、誰が一番になったとか、最下位は誰だとか、たまーに喧嘩の原因になったりしてしまうことがありますが、協力ゲームは、すごく平和的。
勝敗のないボードゲームなのです。
チームとなってひとつのゲームに立ち向かうので、ゲームをクリアした時の達成感はもちろんのこと、失敗したときも、次はここをこうしたらいいんじゃないか?とかコミュニケーションが取りやすく、チームの仲が深まりやすいんですよね。
ボードゲームといえば、競争ゲームを連想する人が意外と多いようで、こういう系のゲームを知らない人にウケがいい。
勝ち負けが嫌いな人でも好きになれるボードゲームのメカニクスです。
協力ゲームのおすすめ:花火
そんな【協力ゲーム】でおすすめしたいのは、『花火』です。
2013年度のドイツ年間ゲーム大賞も受賞している『花火』は、声優ラジオ「フレッシュたかまつ(第136回)」で高田憂希さんも紹介していたゲームで、アントワーヌ・ボザというフランスの人気ゲームデザイナーが考案したものです。
ドイツ年間ゲーム大賞という、ボードゲーム界でもっとも権威のある賞を受賞したボードゲームの中で、初めて【協力ゲーム】のメカニクスが受賞したことでも話題になりました。
このゲームの遊び方は、自分の手札を見ることが出来ない七並べのようなもので、プレイヤーは花火師になり、1~5までの数字、5色の花火を並べていき、最大25点を狙っていきます。
自分のターンで出来ることは、情報を人に教える、カードを一枚捨てて新しく引く、カードを一枚配置するのどれか。
自分の手札は見れないので、人に教えてもらった情報をたよりに自分の手札を推測していくんですが、教えてもらえる情報は、数字か色。そして持っているか持っていないということだけ。
しかも情報を教えるためには予め配布されたチップを消費するので、限られた回数で、推測しなければなりません。
まぁ、説明するだけではわかりづらいかもしれませんが、一度やればすぐにルールがわかる『花火』は【協力ゲーム】のいちおしボードゲームです。
協力ゲームのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその③ 【陣取りゲーム】
次に紹介したいメカニクスは【陣取りゲーム】です。これぞボードゲームの真髄という感じで、ボード上に自分の駒を置いていき、陣地を取り合うゲームですね。
考えてみれば、桃太郎電鉄も各駅の名産品などを買収して自分のエリアを拡大していく感じなので、桃鉄はすごろくでありながら陣取りゲームでもあるわけですね。
ちなみにぽんぽこが一番得意とするボードゲームでもあります。陣取りゲーム、大好き。まぁ、得意だからと言って強いとは限りませんけどね。
「あ、この記事書いてるやつ、ぽんぽこって言うのか」
そう思った、あなたどうもこんにちは。ぽんぽこきつねです。ぽんちゃんって呼んでね🍁
陣取りゲームのおすすめ:ブロックス
そんな【陣取りゲーム】の中で紹介したいゲームは『ブロックス』です。フランス生まれのボードゲーム。ゲームデザイナーはベルナール・タビシアン。
ルールは非常にシンプルで、テトリスのような形をした様々なブロックが予めみんなに同じ数だけ配布されていて、そのブロックの角と角が接するように配置していき、どれだけ手持ちのブロックを減らせるかというゲームです。
角と角というのがポイントで、必ず自分の駒の角に接しないといけないのですが、その時に、相手の角も邪魔するように配置していくようにすると、だんだん相手が置けなくなってくるんですよね。
駒の形も1マス分~5マス分と様々な形があり、大きい形の方が相手を邪魔できるけれども、小さい形の方が柔軟に置けるみたいな、どの順番でブロックを使って行くべきかなどの戦略を楽しめます。
見た目的にもカラフルで、子供も大人も楽しめるボードゲームです。スマホアプリも出ていて、暇な時間は一人でポチポチ楽しんでますね。
友人の誕生日プレゼントどうしようかなと、困ったらとりあえずこの『ブロックス』を第一候補にしています。
老若男女、誰にでも喜ばれるボードゲームなので。
また、難易度をあげた『ブロックストライゴン』や、2人用に特化した『ブロックスデュオ』など、ブロックスには様々なシリーズ作品が存在しているので、相手の環境を考えてプレゼントしやすいというのも魅力です。
陣取りゲームのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその④ 【タイル配置ゲーム】
次に紹介するメカニクスは【タイル配置ゲーム】です。手持ちのタイルやカードを決められたルールで場に出して、組み合わせていくパズルのようなボードゲームです。
配置制限があるのがミソで、すでに置かれているタイルを見て、自分の手持ちからどれを選ぶか、どの向きで置くかなど頭を使います。
数あるメカニクスの中でも、人気のあるジャンルのひとつ。
タイル配置ゲームのおすすめ:カルカソンヌ
そんな【タイル配置ゲーム】でおすすめなのは、『カルカソンヌ』です。ドイツ年間ゲーム大賞とドイツゲーム大賞の2冠を達成した人気のゲームです。
あ、ちなみにドイツ年間ゲーム大賞とドイツゲーム大賞は、混同しやすいですが別の賞です。専門家などが選ぶのがドイツ年間ゲーム大賞(Spiel Des Jahres)で、ファンが選ぶのがドイツゲーム大賞(Deutscher Spielepreis)です。豆知識。
カルカソンヌは2000年に発売され、2001年に両方の大賞を受賞しています。ゲームデザイナーはドイツ人のクラウス=ユルゲン・ヴレーデ。
カルカソンヌはぽんぽこがボードゲームにハマったきっかけのゲームでして、家を掃除していたら家にあったんですよね。
でもルールブックは紛失してしまったらしく、今みたいにボードゲームのルールを説明してくれるYouTubeなんてものはなく、遊び始めた当初はルールがよくわからないままでした。
しかし、タイルのデザインに惹かれ、適当に並べて遊んでいました。ただ並べていくだけで、世界がそこに広がっていく。あぁ、楽しい。
二人遊びゲームだって知ったのはだいぶ後の事でした。パズルか何かだと思っていたので。
カルカソンヌとはフランスにある都市の名前で、古代ローマ時代には要塞都市として知られていました。それをモチーフとしたゲームで、順番に引いたタイルを置いて、街を完成させていきます。
どうやって得点をとっていくかといえば、プレイヤーはそれぞれ、ミープルと呼ばれる人型のコマを7つ持っていて、タイルを置く時に、「この道路はぽんぽこの領地!この草原は私の領地!」みたいな感じでミープルを置くんですね。
んで、どんどんタイルを置いていくと、道路や都市、草原などが完成する時があるんですよ。その時に、ミープルが自分のところに戻ってきて、マスの分だけ得点が加算されます。
このゲームの面白いところはミープルが7つしかないってところでして、所構わずミープルを置いてしまうと、地形が完成するまでミープルは戻ってこないので、必要な時にミープルがいない!ってことがあるんです。
しかも、タイルを広げて行った方が高得点になるんですが、欲張ってしまうと地形が完成せずに終わってしまうなんてこともあります。
ミープルの管理と、地形の把握。この駆け引きが本当に面白くて、しかもタイルはランダムで引いていくので、運も絡んでくるというね。
でも、運と自分の策略がバチンとハマった時には、ゲームの終盤でも高得点を叩き出せるので、逆転が可能なんです。
ほとんどのボードゲームは、ある程度までゲームを進めていくと勝敗が決まってしまうものが多いですが、カルカソンヌは最後の最後までわからない。
タイルを引いて、配置するというシンプルなルールで誰でも遊べる上に、引いたタイルはみんなに見えているので、初心者にもアドバイスがしやすいというコミュニケーション向上のおまけ付き。
「こりゃー、大賞を取るのも納得だわー」のボードゲームです。ケータイのアプリでも出ているので、よかったらぜひ。
タイル配置ゲームのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑤ 【拡大再生産】
カルカソンヌの紹介をしたので、世界三大ボードゲームに触れつつ、次のメカニクスを紹介していこうと思います。
次に紹介するのは【拡大再生産】です。
世界三大ボードゲームはカルカソンヌ、カタン、ドミニオンと言われています。世界大会も開催されているほどです。
ま、日本人が勝手に言ってるだけですけどね。三大○○って好きですよね。日本人。
それで、カタンのメカニクスが【拡大再生産】なんですね。
【拡大再生産】っていうのは、もともとマルクスが書いた『資本論』の中で展開された経済用語です。
簡単に説明すると、生産で得た利益をさらに生産に投資して、繰り返すことで生産できる規模がデカくなるって事なんですが、これをゲームに生かしたんですね。
つまり、ゲーム内で稼いだお金や資源を投資して、資産を増やしていくという、なんともリアルな世界に通じる投資ゲーム。
どんどん出来ることが増えていくっていう「成長」をゲームに取り入れたメカニクスです。
拡大再生産のおすすめ:カタンの開拓者たち
『カタン』は世界三大ボードゲームの中で一番古い1995年に発売されたドイツのボードゲーム。ゲームデザイナーはクラウス・トイバー。
巷では世界で2番目に売れたボードゲームだと言われています。
おそらくボードゲーマーでは知らない人はいないぐらい有名です(じゃあ、1番目は何なんだ?という話になりますが、世界で1番売れたボードゲームはモノポリー)。
「カタン以前、カタン以後」なんて言葉があるぐらい後のボードゲームに影響を与えたゲームで、言ってみればボードゲーム界のダウンタウン。松ちゃん、浜ちゃんです。
そんなカタンは一言で言えば、無人島を開拓するゲーム。
まず、タイル型の土地と海フレームを使って、適当にマップを作ります。毎回違うマップで遊べるのもこのゲームの魅力です。
そして、土地タイルの上に数字チップを置いていきます。
各プレイヤーは土地タイルの角に開拓地コマ、隣あう辺に街道コマを置きます。ちなみに他のプレイヤーが置いた開拓地の横には開拓地は置けません。
ま、ここらへんは実際に遊ぶ時にルールブックに書かれているので、そういうものなのかと聞いてくれれば大丈夫です。
んで、ここからゲームスタート。
自分のターンでやることは3つ。①サイコロを2個振る。②出た目と同じタイルから資源が産出される。③アクションを実行する。です。
① たとえばサイコロを2つ振って、「4」と「1」が出たとします。合計値は「5」ですね。
② マップを見て5の数字チップが置かれた土地は資源が産出されるので、そこに開拓地コマを置いたプレイヤーは資源カードを貰うことが出来ます。森林からは木材、山地からは鉱石など、土地タイルに関連した資源です。
③ んで、アクションを実行します。アクションも3つのパターンがあります。
①建設する。②資源を他のプレイヤーと交換する。③発展カードの購入か使用する。です。
① 資源カードが溜まって来たら、その資源カードを使って開拓地コマ、街道コマを建設することが出来ます。開拓地コマが増えれば、資源カードがもらえる機会が増えるわけですね。
また、開拓地コマをアップグレードすることも出来て、資源カードを使って開拓地コマを都市コマにすると、資源の産出量が2倍になります。
② ただ、建設するには特定の資源が必要ですよね。そこで手持ちの資源カードと誰かの資源カードを交渉して交換することも出来ます。
「ぽんぽこは木材を2枚出すから、君の鉱石1枚と交換してくれない?」
みたいな、相手にメリットがあるような感じで交換するのが通例です。自分は建設素材が手に入れられて嬉しい、相手は資源が多く手に入って嬉しい。Win-Winの交渉を学べるボードゲーム。これがこのゲームの醍醐味。
③ 発展カードというのも、特定の資源カードと交換で購入することが出来ます。ま、桃鉄をやったことがあれば、だいたいイメージをつかめると思いますが、ゲームを有利に進めること出来る効果があります。
1ターンに自分が出来る行動の説明は以上です。この繰り返しでゲームを進めていき、誰が最初に10ポイントを手に入れるか。それでこのゲームの勝敗が決まります。
ちなみに、実はこのゲームを特徴付ける大事なルールを説明しておりません。
それは盗賊の存在。
サイコロを2つ振りますが、足した合計値と同じ数字チップが置かれたフィールドから資源カードが貰えるというルールは説明しましたよね。
2~12の数字チップが配置されているんですが、実は7の数字チップだけがないんです。その7が出た時に、盗賊が出現するんです。
盗賊が出現した時、まず全プレイヤーは資源カードを8枚以上持っていた場合、半分捨てなければなりません。
その後、7を出したプレイヤーは、盗賊コマを好きな土地タイルに配置する事が出来ます。その配置した土地タイルに開拓地コマを置いている人からランダムで1枚資源カードを奪うことが出来るのです。
盗賊コマの脅威はそれだけではありません。盗賊コマが存在している間は、その土地タイルからは資源が手に入らなくなるのです。
まぁ、盗賊コマは言ってみれば桃鉄でいうキングボンビー的存在なわけですね。
大抵のボードゲームは、自分のターン以外は暇になることが多いですが、この盗賊の存在や、交渉の存在によって、他の人のターンまでもハラハラドキドキ出来るところが、このゲームを人気付けている理由なんじゃないかなとぽんぽこは考えています。
以上がカタンのルールです。まぁ、説明を聞く限りは複雑な気がするかもしれませんが、やってみたらわかります。あ、これは面白いゲームだって。
1995年に発売されて以降、拡張版はたくさん出ていますが、他に似たようなゲームが出てこないぐらい、完成されたルールのボードゲームのカタンを是非一度お楽しみください。
拡大再生産のおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑥ 【デッキビルディング】
さて、世界三大ボードゲームの残りのひとつである『ドミニオン』を使って、【デッキビルディング】というメカニクスを紹介していきましょう。
デッキビルディング(デッキ構築)という名前を聞くと、なんとなーくわかると思いますが、最初に花札の話の時にしゃべった、カードゲームでさえボードゲームになってきたというのは、これのことです。
世界三大ボードゲームが、カルカソンヌ、カタン、ドミニオンというのは話しましたが、カルカソンヌ、カタンがドイツのボードゲームに対して、ドミニオンはアメリカのボードゲームです。ゲームデザイナーはドナルド・X・ヴァッカリーノ。
2008年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞しています。そして、それ以降、デッキビルディングというメカニクスを持つボードゲームが爆発的な人気を持つようになりました。
まぁ、つまり、デッキビルディングというジャンルをボードゲームに築いたのがドミニオンという事ですね。
デッキビルディングと聞くと、「デュエル!」的なトレーディングカードゲームを想像しそうですが、ボードゲーム上のデッキビルディングは、ゲーム内の中で、いかに自分の手札を強化出来るかに重きを置いています。
デッキを揃えてから戦うというのではなく、スタートはみんな同じデッキで、それを捨てたりカードの能力を発揮したりして、強化していく事が戦いそのものって事ですね。
そんなデッキビルディングのおすすめは…。
デッキビルディングのおすすめ:ドミニオン
当然ながら、おすすめは『ドミニオン』です。
ただ、この『ドミニオン』をAmazonで検索してみればわかりますが、このゲーム、ものすごーくたくさんの拡張版が出ています。
これだけたくさん出されてしまうと、ぶっちゃけとっつきにくさプンプンです。
ですが、実際にやってみるとルールはすごくシンプル。
“お金で好きなカードを購入して、自分のデッキを強化していくだけ”っていうね。
ここでカンのいい人は気がつくかもしれません。
「あれ?それって、拡大再生産じゃねーの?」
と。
そうです。『ドミニオン』は【拡大再生産】をカードで行ったボードゲームなのです。
プレイヤーは小国の領主になって、統治国家ドミニオンを拡大するため、少額の資産を元手に、領土、資金、施設などを獲得していき、それを使ってまた領土や資金、施設などを獲得していくというまさに【拡大再生産】形式のゲームですね。
ドミニオンのルールを簡単に説明していきましょう。
まず同じ構成の山札が各プレイヤーの前に用意されます。そこから5枚めくって手札にします。カードはよくシャッフルされているので、同じ構成の山札と言いつつ、手元にあるのは各プレイヤー、バラバラの5枚になります。
自分のターンになったら、手札のお金カードを消費して、場に並べられた種類別の山札から様々なカードを購入します。
勝敗を決める領土カード、資金を増やすお金カード、様々な効果を持つアクションカードなどが購入出来ます。
ただ、購入したばかりのカードはすぐには使うことが出来ず、自分の使ったカード、使わなかったカードとともに自分の捨札ゾーンに入れます。そして山札から再び5枚取ります。
5枚引く→手札を使って新しいカードを手に入れる→捨てる→5枚引く。
これを繰り返していくと、山札がなくなります。その時になって初めて、自分が購入したカードなどが含まれている捨札ゾーンをシャッフルして新しい山札を作れるのです。
そしてその山札から5枚引いて同じことを繰り返していく。こうして徐々に自分の思惑に沿った山札(国)が、徐々に育っていきます。
んで、場の特定のカード山がなくなったらゲーム終了。自分の山札にある領土カードの得点を数えて、最高得点の人の勝利です。
このゲームの面白い所は、ずばりアクションカードの存在。全部で25種類あるんですが、毎回ゲームを遊ぶたびに10種類を選びます。
アクションカードは組み合わせの能力があるので、ゲーム毎の10種類によって、無限に思える様々な戦略を楽しめるのです。
さらに、ドミニオンは最初に言った通り、拡張版がたくさん出ているので、飽きてきたらそれらを追加することで面白さを刷新する事が出来ます。
…いや、拡張版が揃ってからが本当のスタートなのかも知れません。
カタンもそうですけど、ボードゲームを拡張出来るってすごいですよね。ルールがシンプルなのに、奥が深い。ハードル高めに見えますが、ぜひ食わず嫌いをせず遊んでみてくださいませ。
デッキビルディングのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑦ 【バッティング】
世界三大ボードゲームの紹介をしましたので、ここいらでボードゲーム作家についての豆知識を。
今まで紹介してきたボードゲームのパッケージを見て、なにか気がついた事があるでしょうか?
画像だと小さくてよくわからないと思いますが、実物を手にとってみると、ある法則があることに気がつくと思います。
それは「パッケージにゲームデザイナーの名前が記載されている」こと。
日本はまだまだボードゲーム
それはつまり、ボードゲームを作る人が沢山いるって事です。
もちろん、日本にもゲームの作り手はいますが、日本と海外の大きな違いは、ゲームデザイナーの地位です。
日本ではまだまだボードゲームデザイナーはゲーム制作会社のいち社員という立ち位置でしかありませんが、海外ではゲームデザイナーは“作家”なのです。
商品ではなく、“作品”なのです。
もちろん、本場ドイツでも、ボードゲームデザイナーの地位が最初っから高かったわけではありません。
ボードゲームデザイナーの地位向上に尽力し、ドイツボードゲーム界の神様と呼ばれているアレックス・ランドルフ(1922年?2004年)の影響が大きいのです。
ま、アレックス・ランドルフはアメリカ人なんですけどね。
カタンを発明したクラウス・トイバーは、
アレックス・ランドルフは作品に初めて自身の名前を冠し、ゲーム出版社にゲーム作家をビジネスパートナーとして認めさせ相応の待遇を勝ち取り、後進のゲーム作家のために道を切り開いた人物
と評したそうです。アレックス・ランドルフの出現によって、ボードゲームのパッケージにゲームデザイナーの名前を載せるのが通例化したんですね。
…と、ここまで話をすると、
「おいおい。メカニクスの紹介だろ?バッティングってどういう仕組なのよ」
という声が聞こえて来そうですね。
ご安心を。
そのアレックス・ランドルフが作ったゲーム『ハゲタカのえじき』がまさに【バッティング】のメカニクスなのです。
バッティングのおすすめ:ハゲタカのえじき
『ハゲタカのえじき』は、1988年に発売され、その年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた作品。
価値のあるごちそうをみんなを出し抜いて手に入れることを目的とするゲームです。
ほとんどのボードゲームは手番制というルールで行われますが、このゲームは同時決定制を採用。つまり、自分の番が来たらカードを出すというのではなく、みんなで「いっせーのーせっ!」でカードを出します。
カタンの時にも書きましたが、ボードゲームの特徴として、自分の番以外は暇になりやすいというものがあります。
…が、この同時決定制を採用する事で、常に「俺のターン!」になり、飽きることなくテンポよくゲームが進行していきます。
ただ、同時決定制は逆に言えば、考える時間が少ないわけです。そして、その特徴をもろにゲームに反映させたのが、『ハゲタカのえじき』です。
ハゲタカのえじきはルールは非常に簡単。
いっせーのーせっ!で他の人よりも大きい数字を出した人がポイントカードをゲット出来ます。
ここまで聞くと、トランプゲームの「戦争」とほぼ同じですが、ハゲタカのえじきはそこにバッティングのメカニクスを足しました。
他の人よりも大きい数字を出した時に、他にも同じ数字を出した人がいたら、その人達はポイントカードをゲットする権利を失い、2番目に大きい数字を出した人がポイントカードをゲット出来るというものです。
つまり、常に一番強いカードを出せばいいというわけではなく、他の人の様子を見つつ、誰も狙わないタイミングで一番強いカードを出さなければならないのです。
しかし、他の人の様子をみつつと言いながらも、同時決定制のせいで、考える時間がほとんどありません。パッパッパ!っと瞬時に判断をしなければならないのです。
しかも、必ずしも価値のあるポイントカードが出てくるわけではなく、たまーにマイナスカードを巡って勝負が行われます。
その時は、出来る限り弱いカードを出した方が良いのですが、弱いカードが残っていなくてもバッティングさえしてしまえば、強いカードでもマイナスカードを取得しなくても済む場合も出てくるわけです。
この相手の心理の読み合いをポンポンポンと楽しめるのが、『ハゲタカのえじき』です。
例えば、1番強いカードはバッティングしそうだから、あえて2番目に強いカードを出してみる。…しかし、それは誰もが考える事なので、意外と1番強いカードを出す人がいなくて、みんながバッティングしてしまい、大して強いカードを出していない人がゲットできたりね。
このゲーム、やってみればわかりますが、1回目よりも3回4回と回を重ねて行った時の方が盛り上がります。徐々にみんなの心理がわかってくるからです。
本当の勝負はここからで、まさにそれは心理戦。心の読み合いで裏の裏の裏をかくみたいな。
バッティングというメカニクスがどういうものかわかってもらえたでしょうか。ちょっと前に宴会ゲームとして『たけのこニョッキゲーム』っていうのが流行りましたが、あれも言ってみればバッティングのメカニクスを採用したゲームなのです。
「たけのこたけのこニョッキッキ!……1ニョッキ!」
あぁ、懐かしい。…ニョッキッキって何!?(笑)
…ま、『たけのこニョッキゲーム』も2003年頃に流行ったの懐かしのゲームなので、知らない世代がいるのかもしれないですが。
『ハゲタカのえじき』は更に古い1988年に発売されたゲームですが、今でも充分に盛り上がる名作ゲームですので、ぜひ。
バッティングのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑧ 【ブラフゲーム】
心理戦のゲームを紹介したので、それ関連で次のメカニクスを紹介したいと思います。
次に紹介するボードゲームのメカニクスは【ブラフゲーム】です。ブラフとは英語で【Bluff】と書きますが「はったり」っていう意味ですね。
その言葉通り、相手をはったりで騙したり、相手の嘘を見抜く事でゲームを進めていく心理戦が面白いメカニクスです。
トランプのポーカーなんて、まさにこれですよね。役が揃ってないのに、むっちゃ強い役が強い出来上がっているようにはったりをかましたりするでしょ?
ポーカーフェイスなんて言葉がありますが、嘘を顔に出さない演技力などが試されます。
ま、余談ですが、【陣取りゲーム】が一番得意と言ったぽんぽこですが、【ブラフゲーム】が一番苦手です。
嘘が顔にすごく出るんですよ。
顔さえ出さなければ冷静に嘘つくのは得意なんすけどね(笑)
ブラフゲームのおすすめ:ごきぶりポーカー
そんな【ブラフゲーム】でおすすめしたいゲームは『ごきぶりポーカー』です。
すごいネーミングインパクトですよね。ゲームデザイナーはジャック・ゼメ。ドライ・マギア社が2004年に発売したゲームで、ドイツ語だと「Kakerlakenpoker」と書きます。
ドイツ語にした途端、かっこよく見えてしまうのが不思議なところ。ドイツ語で「クーゲルシュライバー」ってなんのことだかわかります?
これ「ボールペン」なんですよ。必殺技の名前っぽいよね!
「喰らえ!クーゲルシュライバーぁぁぁぁ!!!」
…ま、そんな事はどうでもいいんですが、この『ごきぶりポーカー』は伊集院光さんの「深夜の馬鹿力」というラジオで紹介していて知りました。
気がついた人もいるかもしれませんが、ぽんぽこはラジオ好きです。
さて、この『ごきぶりポーカー』は、「ポーカー」と名前がついていますが、どちらかと言うとトランプゲームの「ダウト」に近いゲームです。
カードにはごきぶりを含めて8種類の害虫がそれぞれ8枚ずつ描かれていて(合計64枚)、その嫌われ者のカードを嘘を交えながら相手に押し付け、自分はなるべくカードをもらわないようにするって言うのがこのゲームの遊び方。
ルールを説明しましょう。まず、カードを良く混ぜて64枚のカードをプレイヤーに均等に配ります。そして順番を決めて、自分の番が来たら、
「これは蜘蛛です」
と、本当や嘘を交えて、誰でもいいので誰かにカードを伏せたまま差し出します。
カードを渡された人は、2種類のアクションを起こせます。
①嘘か本当を見抜く。②他の人にカードを回す。です。
①嘘か本当を見抜く場合、「いいえ、蜘蛛ではありません!」や「はい、これは蜘蛛です!」のように宣言してから、カードをめくって相手が言ったことがどうだったのかを確認します。
もし、相手の嘘を見抜いたり、本当のことを言っていることを当てたとしたら、そのカードを差し出した人の前に並べます。
もし、自分が言った宣言が間違っていたら、自分の前にそのカードを並べます。
んで、相手の言っている事が本当かどうかわからない時がありますよね。そんな時は②他の人にカードを回す。というアクションが取れるんです。
その時は、自分だけそのカードが何なのか、確認して、別の人に「これは〇〇です」と言ってカードを伏せたまま押し付けます。
押し付けられた人はまた、2種類のアクションからどちらかを選んで行います。
最終的に自分の前に同じ害虫が4枚か、全8種類のカードが揃ったら負けです。
ちなみに、たとえば4人で遊ぶとして、Aさん→Bさんにカードを押し付けて、BさんがパスしてCさんに押し付けて、CさんもパスしてDさんに押し付けた場合、Dさんは押し付ける相手がいないので、嘘か本当かを必ず宣言しなければなりません。
最後の人は取れるアクションが1つだと言うことです。
ぽんぽこがブラフゲームを苦手な理由は、グループ内でいじられキャラっぽい立ち位置になることが多くて、3人がパスしまくって、最終的にぽんぽこのところに集まってくるみたいな流れが出来ちゃうんですよね。
まぁ、ルール的に、負けを一人決めるゲームですし、パスによって、グループハメが出来てしまいそうなゲームなので、仲良しとやるよりも、まだあまりお互いを知らない、仲良くなりかけている人とやった方がそういう流れになりにくいので盛り上がりやすいかも。
嘘ついたり、嘘を見抜いたり、相手の前に並んでいるカードが負けへのリーチだったりした時の、ギリギリの心理戦がとにかく楽しいです。それと、カードに描かれた害虫のシュールさが意外にも癖になるゲーム。
ルールも簡単だし、持ち運びも容易なゲームなのでかばんの中に潜めておくと、意外な時に重宝しますよ。
ブラフゲームのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑨ 【正体隠匿ゲーム】
ブラフと来たら、やっぱり次に紹介するメカニクスはこれでしょう。【正体隠匿ゲーム】です。
まぁ、いわゆる人狼系と呼ばれるやつですね。仲間の中に裏切り者が紛れ込んでいて、それが誰なのかは犯人しか知らない。
自分の役割は自分だけしか見ることが出来ないので、たとえ自分が裏切り者じゃなかったとしても、周りからは怪しい目で見られます。
裏切り者は裏切り者で、仲間のように振る舞っているので、あのひとは仲間に違いないと思う人が裏切り者だって事もありえます。
このメカニクスの特徴は、敵と味方のプレイヤー数がアンバランスだってことです。
普通は均等に分けられるゲームが多いですが、【正体隠匿ゲーム】は多数の白と少数の黒なのです。
多数決の原理、数の暴力、などなど、世の中には多数派が力を持つ事が多い世の中で、【正体隠匿ゲーム】は、数の優位性に対して、情報の優位性で立ち向かいます。
そして数の優位性は黒幕にとって、自分の身を隠す絶好のアドバンテージなのです。
数が多ければ多いほど、自分は疑われにくくなる。数が多ければ多いほど、白陣営は協力がしにくくなる。
白陣営のアドバンテージは数の優位性しかないのですが、協力しようと決断しても、もしかしたらそこに紛れている黒幕に間違った方向に導かれてしまうかもしれません。
普段、少数派の世界を肩身の狭い思いをして生きているぽんぽことしては、たまらなく面白いメカニクスです。
…が、ここにはジレンマがありまして、【正体隠匿ゲーム】は大人数じゃなくちゃ面白くないものが多く、そんなに友達がいないぽんぽことしては、遊べる機会が少ないんですよね(泣)
と、まぁ、そんな感じの【正体隠匿ゲーム】ですが、早速おすすめを紹介していきましょう。
正体隠匿ゲームのおすすめ:お邪魔者
【正体隠匿ゲーム】でおすすめしたいのは、『お邪魔者』です。ゲームデザイナーはフレデリック・モイヤーセン。
このゲーム、何が面白いって、誰が黒幕かを当てるのが目的ではなく、黒幕が誰かわかってからがある意味本番で盛り上がるゲームなのです。
ルール自体は非常に簡単。
プレイヤーはドワーフになって、カードを出して道をつなげて金塊を掘り当てるだけ。子どもも一緒になって遊べます。
まず、スタートのはしごカードから7枚分空けた部分に伏せたカードを3枚配置します。この3枚のうちのどれかが金塊カードで、それはどのプレイヤーにもわかりません。
そして、次に役割カードで自分の役割を誰にも知られないように確認します。役割は2つだけ。「真面目な金鉱堀り」か「お邪魔者」です。ほとんどは「真面目な金鉱堀り」ですが、2~3人は「お邪魔者」になります。
あとは順番に時計回りでカードを出していくんですが、「真面目な金鉱堀り」チームは金塊にたどり着いたらポイントが入ります。「お邪魔者」チームは手札と山札カードを使い切っても金塊にたどり着かなかった場合にポイントが入ります。
しかも、このポイントの入り方には特徴があって、山分けではあるんですが、当然人数が少ないお邪魔者の方がポイントが高いのはもちろんの事、真面目な金鉱堀りチームが勝った時も、金塊にたどり着いた人から順に山分けをしていくのです。
まぁ、わかりやすく言えば、5人分のケーキを4人で分けた場合、1人だけ2個食べられるみたいに、勝ったチームでもポイントに偏りが出てくるのです。
そして、役割を変えながら3回ゲームを繰り返して、一番ポイントが高かった1人のプレイヤーが優勝。
つまり。
「真面目な金鉱堀り」になったからと言って、協力して道をつないで行くだけでは駄目なのです。協力しないと道が繋がらないのに、どこかで仲間たちを出し抜いて金塊カードをめくるのが自分の順番になるようにしなければならないのです。
このルール、すごい面白いんですよ。誰が仲間かわからない。しかも、金塊近くになると、仲間であろうと出し抜いてくる人が出てくる。結果、みんながみんな邪魔しあって、金塊にたどり着けず、お邪魔者の勝利!みたいな。
あと、まぁ、アクションカードの存在もあって、金塊の場所を一人だけ確認出来るカードとか出た日には、まさに疑心暗鬼の祭りです。
「これ金塊でした」
と一声。それを信じてその道にカードをつなげて行っても、実はお邪魔者が嘘をついていたりして、ただの石ころだったりね。
1回のゲーム時間が15分ぐらいと短いので、ついつい「もう一回やろう!お邪魔者やりたいし!」なんてことになります。
それでもお邪魔者かどうかはランダムで決まるので、必ずしもその人がお邪魔者になれるかどうかは別なのがまたニクい。
【正体隠匿ゲーム】なのに、正体解明に重きを置いていないゲームをおすすめして良いのか迷いましたが、一度お試しあれ。大人数で遊ぶと、かなり面白いですよ。
正体隠匿ゲームのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑩ 【チキンレース】
そろそろ頭を使うのにも疲れてきたという、そこのあなたにおすすめなメカニクスがあります。
それは【チキンレース】です。
海外ではチキンゲームとか言われているみたいですが、俗に言う「アレ」です。
壁に向かって猛スピードで車を走らせ、どちらがギリギリで止まれるかっていう。まぁ、どちらか先に運転席から逃げ出した方が負けっていう印象が強いでしょうかね。
ボードゲームのメカニクスにも【チキンレース】がありましてね、遠くに行けば行くほど、得点は高くなるけれど、失敗してしまったら、何も手に入れられないってやつ。
勇気があるのはいい事ですが、勇気と無鉄砲は別物ですからね。壁にあたってしまっては元も子もない。どこで降りるかの見極めが重要になってくるメカニクスです。
チキンレースのおすすめ:インカの黄金
【チキンレース】でおすすめしたいボードゲームは、2005年にドイツで発売された『インカの黄金』です。ゲームデザイナーはアラン・ムーンとブルーノ・フェデュッティです。
アラン・ムーンは陣取りゲームのおすすめのその他で紹介した『チケット・トゥ・ライド』の作者です。
『チケット・トゥ・ライド』はぽんぽこがアプリで一番遊んでいるボードゲームなんです。時間の関係上、詳しく紹介出来なかったのが残念ですが…。
『インカの黄金』は、全員で一緒にインカ帝国の神殿の洞窟に進んでいき、道中に落ちている宝石を集めるゲームです。
【チキンレース】のメカニクスの通り、奥へ進めば進むほど、沢山の宝石が手に入りますが、危険に遭遇してしまった場合は、集めた宝石は没収されます。
具体的なルールとしては、30枚の山札から一枚めくり、財宝カードが出たらカードに書かれた数の宝石をみんなで山分けします。
そして障害カードが出たら即没収…というわけではなく、障害カードは全部で5種類が3枚ずつ入っているんですが(つまり山札30枚のうち半分が障害カード)、同じ種類のカードが2回出た時点で探検失敗となり、没収となります。
あ、それと、カードをめくる度に、いっせーのーせで帰るか進むかを決めます。
先に進めば進むほど、人数は少なくなり、山分けの取り分が増えるわけですが、帰る選択をして初めてそれまでに手に入れた宝石を自分のポイントにする事が出来るのがこのゲームの特徴です。
さらに、財宝カードが出た時に、山分けして、余りが出ることがあるんですが(たとえば7個の宝石を3人で分けると余りが1出る)、その余り分も帰る選択をした人は拾う事が出来るのです。
危険を冒して先に進む勇気、欲張りたくなるところを我慢して引き返す勇気。その駆け引きが楽しいボードゲームですね。
チキンレースのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑪ 【アクション】
頭を使うのも疲れたし、度胸試しのチキンレースも疲れた。もっと直感的に遊べるものはないの!?というあなたに最適なメカニクスは【アクション】です。
その名の通り、物理的に体を動かして遊ぶボードゲームのメカニクスです。
まぁ、本格的に体を動かすとなると、スポーツになってしまうので、あくまでも手足などを使って遊ぶボードゲームって感じですね。
昔で言えば、野球盤なんてまさにこのメカニクスですよね。最近は手先の器用さを競ったり、反射神経の良さを競うゲームが多いです。
個人的には、子供と一緒に遊んで一番盛り上がるのはコレなんじゃないかなって思っています。
アクションのおすすめ:おばけキャッチ
正直、アクションに属するボードゲームはおすすめが多すぎて、むっちゃ迷いました。バランスを崩さずに棒を抜くやつとか、人より速く組み立てるやつとか…。
ですが、やっぱり【アクション】のメカニクスで『おばけキャッチ』は紹介しないと駄目かなと。知名度的にも。ガキの使いでも使われていましたし。
ゲームデザイナーはジャック・ゼメです。
ジャック・ゼメ。どこかで聞きましたね。そう。『ごきぶりポーカー』の作家さんです。
箱を開けると、5つの駒が入っています。
赤い椅子、青い本、緑の瓶、灰色のネズミ、そして白いおばけ。
おばけキャッチは、西洋のカルタと呼ばれているみたいですが、このゲームを面白くしているのは、カルタのように該当した物を取るだけではないという所。
まぁ、詳しくルールを説明していきましょう。
箱の中には更に、トランプのようなカードが入っているんですね。それを山札として、裏返しに起きましょう。
そして一枚めくります。
すると、そのカードには、5つの駒と似たような絵が描かれています。しかし、よく見てみると椅子がネズミ色だったり、おばけが赤かったり、なんだかちょっとだけ違うんですね。
その中で、駒と全く同じものがあったなら、その駒を誰よりも速く取ります!
一番速くとった人が、そのめくったカードをもらってポイントになります。ここまではカルタとほとんど一緒ですね。
面白いのはここから。
カードをめくったら「灰色の椅子と青い瓶」が書かれた絵が出たとします。
一致するものがありませんね。その時は、色や形が出てきていない駒を取るのです。
この場合灰色で、ネズミの駒、椅子で赤い椅子、青色で青い本、瓶で緑の瓶が出てきています。そして全く登場していないのが白いおばけなので、白いおばけをキャッチするのです。
つまり、完全一致か、全く一致していないもののどちらかを取るとポイントになるわけですね。
これ、やっているうちに何を取れば良いのかわからなくなるんですよ。そして、お手つきをしてしまった場合は、すでにとったカードを正しい駒を取った人に渡します。
それで山札がなくなるまでやって、一番ポイントをたくさん取っている人の勝ちっていうゲームなんですね。
これに似たゲームで、『ドブル』っていうのがあるんですが、あっちの方は、カードゲームで完全に一致するものを探して、名前を言うっていうシンプルなルール。
まぁ、ドブルはドブルでなんとも言い難いシュールな絵で、焦ってくると「星マン!」「ぐるぐるのやつ!!」みたいなネーミングセンスが飛び交うので面白いし、持ち運びがしやすいサイズなので、TPOで選んでみてくださいませ。
アクションのおすすめ:その他
ボードゲームのメカニクスその⑫ 【アブストラクト】
さて、ここまで色々なボードゲームのメカニクスを紹介してきましたが、最後に紹介するメカニクスは【アブストラクト】です。
アブストラクトとは、日本語に訳すと、「抽象的」や「論理的」という意味がありますが、この場合のアブストラクトは「論理的」の方です。
【アブストラクト】のボードゲームは、スタートの時点で各プレイヤーに差がなく、そして運要素がないゲームのことを指します。
有名なところだと将棋とかチェス、オセロ、囲碁などがそうですね。
手持ちの駒に差が設けられていないし、運要素もない。ガチで戦略勝負になるゲーム。
…あ、気が付きました?
【陣取りゲーム】で紹介した『ブロックス』も【アブストラクト】のメカニクスを持っているんですよ。
最初の方に、「ひとつのボードゲームは複数のメカニクスで成り立っている事がある」って言いましたが、ここまで読んでくれたあなたならそれがわかってもらえたのではないでしょうか。
さて、この【アブストラクト】のメカニクスを持つボードゲームの良い所を紹介しましょう。
やればやるほど、自分の成長を感じられる。
これに尽きます。
ボードゲームが強いから何の得があるんだ?と言われてしまえば元も子もないんですが、やっぱり日々の生活の中で、成長を感じられる瞬間ってのは、大切だと思うんですよ。
人生は同じことの繰り返しです。そこにマンネリを感じる人も多いのではないでしょうか。
春が来て夏が過ぎ秋を通って冬を越す。そしてまた春が来る。
しかし、同じ様に見えて一年前の春とはちょっと違う。そこに気がつける人っていうのは、成長している人です。
…とまぁ、何が言いたいのかわからなくなって来ましたが、【アブストラクト】のボードゲームはとにかく繰り返しやる事で、実力が付きます。運要素が一切ないですからね。
同じことを繰り返しているようで、少しずつ上手になっているんですよ。
繰り返せない運要素のあるゲームもハラハラドキドキがたまりませんが、運要素を一切排除したゲームも自分の中の燃え上がっていく何かがたまらないのです。
アブストラクトのおすすめ:クアルト
『クアルト』は1991年にスイスの数学者、ブレイズ・ミュラーによって考案されたフランス生まれの四目並べのボードゲームです。…スイス人が考えたらスイス生まれだと思うんですが、フランス生まれなのです。
ま、ギガミックというメーカーがフランスだからなんですけどね。
世界で一番売れたボードゲームがモノポリーという話はしましたが、このクアルトは世界で一番受賞歴が多いボードゲームだと言われています。
まぁ、ドイツ年間ゲーム大賞はノミネートしただけで、『ブラフ』に大賞は持っていかれたんですけどね。
それにしても『クアルト』はとにかく美しい。ボードゲームとしてだけでなく、部屋のオブジェとしてもいけちゃうデザイン。
クアルト(Quarto)っていうのは、イタリア語やラテン語で「4」という意味らしく、4×4の盤面と、4つの属性を持つ駒、4つ並べてクアルトと宣言したら勝ちという所まで美しさを感じます。
ルールは今の紹介でほとんど説明してしまったみたいなものですが、少し詳しく説明していきましょう。
駒には4つの属性があります。
色(白と黒)、高さ(高い低い)、形(丸と四角)、穴(有り無し)です。それが2個ずつあるので2×2×2×2で16個です。
その駒を縦横斜めのどこか一直線に4つ並べたら勝ちなわけですが、ただ4つ並べるだけではいけません。
属性がどれかひとつでも揃っていなければならないのです。
色、高さ、形、穴。たった4つですが、この4つというのが絶妙で色や形には目を向けていても、高さを忘れてしまったり、穴の有無を忘れてしまったりするんですよね。
集中すればするほど、何かを見落としてしまう妙。
さらにこのゲームを面白くしている要素。それは、相手が置く駒は、こちらが選ぶという点です。
相手から渡されて駒を置く。次は自分が選んだ駒を相手が置く。なんて素敵なコミュニケーション。
運要素は全く皆無で、なおかつ相手が置く駒を自分が選べるのに、ついつい見落として4つ揃えられてしまって負ける事もザラです。
「くっそー!!うっかりしてたー!!…もう一回!クアルト!」
という声が飛び交うおしゃれなボードゲームを是非。
アブストラクトのおすすめ:その他
ボードゲームのおすすめ!まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
正直、長かったでしょう?…でもね、これでもかなり省いたんですよ。
【ワーカープレイスメント】の『アグリコラ』、【セットコレクション】の『バトルライン』、【チーム戦】の『コードネーム』などなど、名作をほとんど紹介出来ていません。
『ナンジャモンジャ』とか記憶系も…。
ボードゲームで遊ぶのも楽しいですが、まだまだ知らないボードゲームを探したり調べたりするのもすごく楽しいです。
ボードゲームの世界はまだまだ広い!すべてを紹介するには、時間が足りません!なので、今回は比較的すぐに出来るものだけを選んで紹介しました。
それにしても人間の頭ってすごいですよね。ゲームを生み出しちゃうんですよ。
しかも「ルール」ひとつでゲームが面白くもなり、つまらなくもなる事実ってすごくないですか!?
世の中には無数のルールがあって「なんでこんな事守らなくちゃいけないんだよ!」なんて思っている人って結構多いと思うんですが、ボードゲームで遊んでみると、「ルール」の重要性に気がつくでしょう。
それにメカニクス!
各ボードゲームに流れているメカニクスを把握することで、ゲームの仕組みを理解して、他のゲームをやった時にも応用が効くようになります。
これって、人生にも応用聞きますよね。
「あ、この仕組み、前に似たようなもの見たな。じゃあ、今回はこうしてみよう!」
みたいな。
ボードゲームから学べることは無数にあるのです。遊んで学べる。楽しくて身になる。もう最強じゃないですか。
今回の記事をきっかけにあなたがボードゲームに興味を持ってくれたら嬉しいです。
ひとつお気に入りのボードゲームを見つけたら、人生が楽しくなりますよ。
ぜひ、今日からボードゲーム生活を始めてみてください。新しい世界はすぐそこに!
ではでは、ボードゲームのおすすめでした!
ぽんぽこきつね
P.S.
お気に入りのボードゲームを見つけたら、メカニクスから探すのも手ですが、そのゲームを作った作家さんの別のゲームにも目を向けてみると世界が広がります!